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アレクサンドラ・イザベルの日記

アンティーク、バラ、陶器の人形、綺麗な絵本、ヨーロッパ映画、バレエなど、好きなものを綴っています。

ベルサイユのばら 第11巻

 40年ぶりに出版された『ベルサイユのばら』11巻。

ベルサイユのばら 11 (マーガレットコミックス)ベルサイユのばら 11 (マーガレットコミックス)
(2014/08/25)
池田 理代子

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 続編ではなく、アンドレ、ジェローデル、フェルゼン、アランの4人のエピソードを集めた短編集です。
 様々な思いはありますが、まずはおもしろかった!
 1冊でこれほど濃密な物語がつまった漫画作品は、なかなかないでしょう。

 ただ、絵の変化、表現の変化が気になったのは否めません。
 連載直後に書かれた「黒衣の伯爵夫人」以外の外伝、続編は、登場人物の名前は同じでも、もうベルばらとは別作品の気がします…。

ベルサイユのばら外伝(1)ベルサイユのばら外伝(1)
(2013/10/01)
池田理代子

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ベルサイユのばら外伝(2)ベルサイユのばら外伝(2)
(2013/10/01)
池田理代子

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 外伝、絵が違いすぎて、最初、先生以外の方が描かれたと思いました。


皇帝ナポレオン(1)皇帝ナポレオン(1)
(2014/01/27)
池田理代子

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 続編ともいうべきナポレオンの生涯を描いた『エロイカ』、タイトルが変わって『栄光のナポレオン』、今は『皇帝ナポレオン』のようです。
 アラン、ロザリー、ベルナールが登場します。
 絵も性格も微妙に違った上、悲しい結末で、ナポレオンが栄光を掴む頃からは飽きてしまって、2、3回しか読んでいません。

 11巻の「フェルゼン編」の、マリー・テレーズ王女とフェルゼンが再会し、あまりに王女がアントワネットに似ていて、フェルゼンが涙するシーンは、先に池田先生著『フランス革命の女たち』1でそのエピソードを読み、ベルばらの絵を想像して涙したのですが、絵が変わってしまったので、とても「そっくり」に見えませんでした。

フランス革命の女たち (とんぼの本)フランス革命の女たち (とんぼの本)
(1985/05)
池田 理代子、新潮社 他

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 ちなみにこの『フランス革命の女たち』は、絵画も多く、読みやすく、それぞれ懸命に時代を生きた女性たちを敬意を持って描いた、素晴らしい書籍でした。フランス革命をより詳しく知りたいと思いました。
 こういう作品を読むと、やはり池田先生はやはり素晴らしいと心から思います。

 やはり絵の変化…。
 カラーの色使いも昔と違うんですよね…。
 完全版ということで、旧作にせっかく色を塗っていただいたカラーページも、なんだか違っていました(表紙は昔のカラーです)。

ベルサイユのばら―完全版 (1) (SGコミックス)ベルサイユのばら―完全版 (1) (SGコミックス)
(2005/12/19)
池田 理代子

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 漫画のコマ割りや表現も変わってしまったんですよね。
 突如ギリシャ神話の服装になったり、裸になったり。今まで読んできた『なかよし』等の漫画とは表現が違うので、子ども心に結構衝撃的でした。

 それから、"美人"が、みんな同じに見えてしまうのです。
 アンドレの幼馴染マリー・クリスティーヌ、 『エロイカ』のナポレオンのポーランド妻マリア・ヴァレフスカ、『聖徳太子』の刀自古、『春の雪』の聡子、(池田先生は原作・脚本・構成ですが)『ニーベルンクの指輪』のクリームヒルト、顔も性格もみんな同じタイプなんですよね。

聖徳太子(3)聖徳太子(3)
(2013/11/08)
池田理代子

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 前列、真ん中の女性が刀自古。


ニーベルンクの指輪(4)ニーベルンクの指輪(4)
(2013/11/07)
池田理代子、宮本えりか 他

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 クリームヒルトが表紙。


春の雪春の雪
(2006/02)
三島 由紀夫、池田 理代子 他

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 原作は三島由紀夫のとても美しい長編なのに、レディコミっぽかった…。


 この美人タイプ、みんな唇が赤くて、登場シーンには綿毛かぼた雪のような丸いものが舞っている。唇が赤いのは『おにいさまへ…』の信夫マリ子さんがあまりに印象的だったのでなんだかなあ…。口紅だと分かるけど、塗ってない人もいるので違和感。そしてみんなやたらと、だらだら泣く(それは男性キャラもだけど)。聡明な割には、騙されやすいようで、自分が愛人となっている相手が、権力を狙っている極悪人だと知って真っ青になって「ああ…」と嘆く。

 いろいろ書いていますが、ファンなので、出る作品をほとんど読んでいるのです…。

 ベルばらも最初の頃と最後の方では絵がとても違っていますし、それぞれの性格も少しずつ変化しているのですが、何かが違う。

 肝心のオスカルは絵が変わりすぎて今一つでしたが、父君のジャルジェ将軍は思わぬ活躍で、とても良かったです。フェルゼンとの再会後は、ロシアに行くようですが、エカテリーナ女帝とは会うのでしょうか。
 「アンドレ編」はオスカルの顔立ちは比較的昔に近かったけれど、「ジェローデル編」ではまた崩れている…。ジェローデルのママンは、ベルばらより『エロイカ』や『天の涯まで―ポーランド秘史』に出てきそうな、よそに若い愛人がいるマダム。こういうタイプも『オルフェウスの窓』では魅力的に描かれていたんだけどな。アントニーナとか。
 「アラン編」は一番読み応えがあって、成長したル・ルーの登場には、やはりとても感激しました。二度目の外伝よりも、こちらのル・ルーの方が好きです。オスカルの血を引いているだけあって、とてもきれいになっていた。
 ただ、ロザリーがいちいちストールを抑えているのは、『エロイカ』の時から気になっています。家事の時、邪魔にならないのかな。『ダントン』や『レ・ミゼラブル』等、時代ものを見ても、強風以外に無闇に抑えている女性はいないのですが。

天の涯(はて)まで―ポーランド秘史 (1) (中公文庫―コミック版)天の涯(はて)まで―ポーランド秘史 (1) (中公文庫―コミック版)
(1999/05)
池田 理代子

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 NHKの朝ドラばりに、人物にかなりの脚色が入っていますが、知られざるポーランド史で、良かったと思います。

おにいさまへ…(1)おにいさまへ…(1)
(2013/11/07)
池田理代子

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 ベルばらの次に描かれた作品。なんといっても信夫マリ子さん!NHKで放送されたアニメも良かったです。

オルフェウスの窓(15)オルフェウスの窓(15)
(2014/01/27)
池田理代子

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 池田先生の作品で一番好きです。この2人の寄り添う姿をみるだけで泣けます。ユスーポフ侯爵も素敵だった。


 いろいろ書きましたが、あくまで『ベルサイユのばら』が大好きということで、もちろん11巻も、もう2か月間、何回も読み返しています。
 これからもいくつかエピソードを描かれるそうで、楽しみに待っています。


 それでも…。
 複雑ですが、ファンサイトさんの方が、今やかつてのベルばらの世界を保っているような気がします。
 リンクフリーとのことなので、 Mon Coeur
 昔のままのオスカル、アンドレ、アランもジェローデルもいました。原作に敬意を持たれていて、愛情があって、とても素敵なのです。
 

テーマ:少女マンガ - ジャンル:本・雑誌

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