葉っぱの日
2015/08/08 (Sat)
オルセー美術館展 印象派の誕生 (国立新美術館)
2014/10/05 (Sun)
早々にチケットを取り、母と妹と3人で8月行く予定だった美術展。母が足を悪くし、病院通いが続き2か月、ようやく回復し、行ってきました。
Link:オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-/2014年7月9日(水)~10月20日(月)/国立新美術館(東京・六本木)
9年前のフランス旅行で3人で行ったオルセー美術館、巨大な絵のため来日は叶わないと思っていたモネの『草上の昼食』が初来日、楽しみにしていたので、3人で行くことができ、本当に良かったです
この日、台風18号が近づき、朝から雨のせいか、人気美術展の割には混雑していなくて、じっくり見ることができました。
■エドゥアール・マネ 「笛を吹く少年」

マネの作品では、『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ 』と共に何度も来日してくれています(今回は来ていませんが『すみれ〜 』は私が一番好きなマネの絵画)。

「こんにちは。また来てくれたのね」と挨拶したくなる、愛すべき作品です。
■ギュスターヴ・カイユボット 「床に鉋(かんな)をかける人々」

今回の美術展でお目当てだった絵画の一つです。
現地のオルセー美術館で見たかもしれませんが記憶にはありません。当時は興味がなかったから、他の絵を目がけて素通りしてしまったのかもしれません。
でも、昨年2013年の10月〜12月にブリヂストン美術館で開催された『カイユボット展 ― 都市の印象派』ですっかりカイユボットのファンになってしまいました。
Link:カイユボット展 ― 都市の印象派 - インターネットミュージアム
カイユボットの絵画ほど実際の絵をみるべきと思う絵はありません。絵の前に立つと、3D映像のように、その世界が迫ってくるのです。手をのばせば、足を一歩踏み出せば、絵の世界に入っていけるような。
『床に鉋をかける人々』もその絵の一つ。画集で見ると地味な風景、でも絵の前に立つと、その場所にいるような気がするのです。しかも目線の高さは、屈んで鉋をかける男たちと同じ。男が顔を上げればまっすぐ目が合いそうなのです。
カンヴァスは102 ×147cm、そこまで大きな絵ではないのですが、等身大の印象さえもしました。
■ギュスターヴ・モロー 「イアソン」

ギリシャ神話の英雄イアソンとコルキス王女メディアです。日没の光に包まれたように光り輝く肌、どちらも男とも女ともつかない美しい容姿をしています。英雄にしては華奢な手前のイアソンの方がより美しい。
光の中にいるのに闇を感じる退廃的な美しさに魅了されました。
■ジェームズ・ティソ 「ミラモン侯爵夫妻と子どもたちの肖像」

印象派と同時代ということもあり目立ちませんが、ジェームズ・ティソやジャン・ベローの2人、19世紀から20世紀にかけての裕福な人々や都会の人々を、写真のように細部まで細かに描いた絵画が好きです。
ヴィクトリア朝時代の子どもたちや女性のアンティークポートレートが大好きなのですが、写真では分からない、ドレスや子ども服、小物が、細部まで描かれているので、この時代の華やかさがより伝わってきます。
プルーストの『失われた時を求めて』の世界を、この2人の画家の絵に見るのです。
『ミラモン侯爵夫妻と子どもたちの肖像』 、家族だけでなく大きな黒い犬まで肖像画に加わっているのは、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』も思わせました。

イタリア映画『山猫』(1963)より
■エリー・ドローネー 「ジョルジュ・ビゼー夫人」

この美術展でとても見たかった絵画の一つです。
プルーストの『失われた時を求めて』のゲルマント公爵夫人のモデルの1人とされるのジョルジュ・ビゼー夫人の肖像画です。彼女はオペラの『カルメン』で有名な作曲家ビゼーの妻で、夫の死後銀行家のストロースと再婚、彼女の息子ジャック・ビゼーはプルーストの学友でした。
亡くなった夫ビゼーの喪に服した喪服なのでしょうか。知的で深い印象的な眼差し、とても美しい方でした。
■クロード・モネ 「死の床のカミーユ」

モネが亡くなった妻カミーユを描いた絵画です。
モネの絵画は大好きだけれど、この絵は苦手です。けれど一度見たら忘れられない絵です。
繭にくるまれたサナギのような、あるいは雪に埋もれた人のような。
オフィーリアのように、川の中を流れ、のまれていくような。
なぜ描いたのだろうか?と思います。沈黙の中に筆の走る音が聞こえます。絵の中から。
■ベルト・モリゾ 「ゆりかご」

『死の床のカミーユ』の次のスペース、すぐの所に展示されていましたが、ほっとします。小学生の頃から惹かれていた、大好きな絵です。
愛を感じる絵です。母が生まれたばかりの子どもへと注ぐ眼差し。ゆりかごに優しく置かれた手。
その母へも優しい眼差しが注がれています。
この絵は、モリゾの姉エドマと、その2人目の娘ブランシュの姿を描いたものです。
ベールの向こう、うっすら見える赤ちゃんも可愛らしく、ミルクのような甘い香りも漂う気がします。
懐かしく、大切な暖かなもの。
■ファンタン=ラトゥール 「テーブルの片隅」

前列一番左にいるのが詩人のヴェルレーヌ、その右隣の若い少年はやはり詩人のランボーです。
この絵には旅行の思い出があります。
オルセー美術館はフラッシュをたかなければ撮影は可なので、私はランボーの隣、ヴェルレーヌの位置に並んで一緒に写真を撮りました。
だって素敵でしょう?

こういうポーズの天使いますよね。

たとえばこの子とか。
ラファエロの天使です。
この若さでとても鮮烈な詩を書くのです。
性格は少し悪そうだけれど、そこがまた魅力的です。
レオナルド・ディカプリオがランボーを演じた映画『太陽と月に背いて』も大好きです。
彼に振り回されたヴェルレーヌを考えると、実際にお友達は難しそうだけれど。
一緒に撮ったツーショット写真ですが、絵画は等身大ではないので、私の方がしっかり顔が大きかったです。
■クロード・モネ 「草上の昼食」

左の絵は418×150、右の絵は248.7×218、巨大な絵です。切り取られなければ、どれほど大きな絵だったでしょうか。
後年のモネの絵に比べると線がはっきりした絵で、明るい色彩で、ぱっとその場所が明るくなります。
この大きさから批評家から認められず、しまい込んでいた所、傷んでしまったため切らざるを得なかったという絵画です。
一緒に来日したやはりモネの初期の作品『ゴーディベール夫人の肖像』この美術展では離れた場所に展示してありましたが、オルセー美術館ではすぐそばに展示してあります。

「ゴーディベール夫人の肖像」
オルセー美術館で、この『草上の昼食』の絵の前で写真を撮りました。あまりに大きな絵画で、来日は無理だろう、もしかしたら二度と会うことはないだろうと、目に焼き付けました。
けれど再会できた。
私生活の方もまた忙しくなり、またいつ旅行に行けるかは分からないけれど、またフランスで会えますようにと願いながら、再び目に絵を焼き付けました。
Link:オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-/2014年7月9日(水)~10月20日(月)/国立新美術館(東京・六本木)
9年前のフランス旅行で3人で行ったオルセー美術館、巨大な絵のため来日は叶わないと思っていたモネの『草上の昼食』が初来日、楽しみにしていたので、3人で行くことができ、本当に良かったです

この日、台風18号が近づき、朝から雨のせいか、人気美術展の割には混雑していなくて、じっくり見ることができました。
■エドゥアール・マネ 「笛を吹く少年」


マネの作品では、『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ 』と共に何度も来日してくれています(今回は来ていませんが『すみれ〜 』は私が一番好きなマネの絵画)。

「こんにちは。また来てくれたのね」と挨拶したくなる、愛すべき作品です。
■ギュスターヴ・カイユボット 「床に鉋(かんな)をかける人々」

今回の美術展でお目当てだった絵画の一つです。
現地のオルセー美術館で見たかもしれませんが記憶にはありません。当時は興味がなかったから、他の絵を目がけて素通りしてしまったのかもしれません。
でも、昨年2013年の10月〜12月にブリヂストン美術館で開催された『カイユボット展 ― 都市の印象派』ですっかりカイユボットのファンになってしまいました。
Link:カイユボット展 ― 都市の印象派 - インターネットミュージアム
カイユボットの絵画ほど実際の絵をみるべきと思う絵はありません。絵の前に立つと、3D映像のように、その世界が迫ってくるのです。手をのばせば、足を一歩踏み出せば、絵の世界に入っていけるような。
『床に鉋をかける人々』もその絵の一つ。画集で見ると地味な風景、でも絵の前に立つと、その場所にいるような気がするのです。しかも目線の高さは、屈んで鉋をかける男たちと同じ。男が顔を上げればまっすぐ目が合いそうなのです。
カンヴァスは102 ×147cm、そこまで大きな絵ではないのですが、等身大の印象さえもしました。
■ギュスターヴ・モロー 「イアソン」

ギリシャ神話の英雄イアソンとコルキス王女メディアです。日没の光に包まれたように光り輝く肌、どちらも男とも女ともつかない美しい容姿をしています。英雄にしては華奢な手前のイアソンの方がより美しい。
光の中にいるのに闇を感じる退廃的な美しさに魅了されました。
■ジェームズ・ティソ 「ミラモン侯爵夫妻と子どもたちの肖像」

印象派と同時代ということもあり目立ちませんが、ジェームズ・ティソやジャン・ベローの2人、19世紀から20世紀にかけての裕福な人々や都会の人々を、写真のように細部まで細かに描いた絵画が好きです。
ヴィクトリア朝時代の子どもたちや女性のアンティークポートレートが大好きなのですが、写真では分からない、ドレスや子ども服、小物が、細部まで描かれているので、この時代の華やかさがより伝わってきます。
プルーストの『失われた時を求めて』の世界を、この2人の画家の絵に見るのです。
『ミラモン侯爵夫妻と子どもたちの肖像』 、家族だけでなく大きな黒い犬まで肖像画に加わっているのは、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』も思わせました。

イタリア映画『山猫』(1963)より
■エリー・ドローネー 「ジョルジュ・ビゼー夫人」

この美術展でとても見たかった絵画の一つです。
プルーストの『失われた時を求めて』のゲルマント公爵夫人のモデルの1人とされるのジョルジュ・ビゼー夫人の肖像画です。彼女はオペラの『カルメン』で有名な作曲家ビゼーの妻で、夫の死後銀行家のストロースと再婚、彼女の息子ジャック・ビゼーはプルーストの学友でした。
亡くなった夫ビゼーの喪に服した喪服なのでしょうか。知的で深い印象的な眼差し、とても美しい方でした。
■クロード・モネ 「死の床のカミーユ」

モネが亡くなった妻カミーユを描いた絵画です。
モネの絵画は大好きだけれど、この絵は苦手です。けれど一度見たら忘れられない絵です。
繭にくるまれたサナギのような、あるいは雪に埋もれた人のような。
オフィーリアのように、川の中を流れ、のまれていくような。
なぜ描いたのだろうか?と思います。沈黙の中に筆の走る音が聞こえます。絵の中から。
■ベルト・モリゾ 「ゆりかご」

『死の床のカミーユ』の次のスペース、すぐの所に展示されていましたが、ほっとします。小学生の頃から惹かれていた、大好きな絵です。
愛を感じる絵です。母が生まれたばかりの子どもへと注ぐ眼差し。ゆりかごに優しく置かれた手。
その母へも優しい眼差しが注がれています。
この絵は、モリゾの姉エドマと、その2人目の娘ブランシュの姿を描いたものです。
ベールの向こう、うっすら見える赤ちゃんも可愛らしく、ミルクのような甘い香りも漂う気がします。
懐かしく、大切な暖かなもの。
■ファンタン=ラトゥール 「テーブルの片隅」

前列一番左にいるのが詩人のヴェルレーヌ、その右隣の若い少年はやはり詩人のランボーです。
この絵には旅行の思い出があります。
オルセー美術館はフラッシュをたかなければ撮影は可なので、私はランボーの隣、ヴェルレーヌの位置に並んで一緒に写真を撮りました。
だって素敵でしょう?

こういうポーズの天使いますよね。

たとえばこの子とか。
ラファエロの天使です。
この若さでとても鮮烈な詩を書くのです。
性格は少し悪そうだけれど、そこがまた魅力的です。
レオナルド・ディカプリオがランボーを演じた映画『太陽と月に背いて』も大好きです。
彼に振り回されたヴェルレーヌを考えると、実際にお友達は難しそうだけれど。
一緒に撮ったツーショット写真ですが、絵画は等身大ではないので、私の方がしっかり顔が大きかったです。
■クロード・モネ 「草上の昼食」

左の絵は418×150、右の絵は248.7×218、巨大な絵です。切り取られなければ、どれほど大きな絵だったでしょうか。
後年のモネの絵に比べると線がはっきりした絵で、明るい色彩で、ぱっとその場所が明るくなります。
この大きさから批評家から認められず、しまい込んでいた所、傷んでしまったため切らざるを得なかったという絵画です。
一緒に来日したやはりモネの初期の作品『ゴーディベール夫人の肖像』この美術展では離れた場所に展示してありましたが、オルセー美術館ではすぐそばに展示してあります。

「ゴーディベール夫人の肖像」
オルセー美術館で、この『草上の昼食』の絵の前で写真を撮りました。あまりに大きな絵画で、来日は無理だろう、もしかしたら二度と会うことはないだろうと、目に焼き付けました。
けれど再会できた。
私生活の方もまた忙しくなり、またいつ旅行に行けるかは分からないけれど、またフランスで会えますようにと願いながら、再び目に絵を焼き付けました。
テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
モンゴメリと花子の赤毛のアン展
2014/05/31 (Sat)
日本橋三越の「モンゴメリと花子の赤毛のアン展」に行ってきました。
関連リンク:
モンゴメリと花子の赤毛のアン展
赤毛のアン展 日本橋三越本店 三越 店舗情報
母と妹と、妹の誕生日のお食事の前にちょっと寄っていこうということで、本当に急ぎでの鑑賞でした。
NHKの朝の連続ドラマ効果もあり、大賑わい。中高年、特に高年の方が多く、男性も多くいらっしゃったのが驚きでした。
ドラマ自体は賛否両論あると思いますが、私自身は多くの人に受け入れられる内で、本当に良かったと思います。アンを読んだり、アニメを見たりするような方以外にも、こんなにも受け入れられ、村岡さん、柳原白蓮、赤毛のアン、モンゴメリを知るきっかけとなっているのですから。
実は家の家族、両親、妹も見ていて、視聴率100%なのです。でも村岡花子訳『赤毛のアン』を読んだのは私1人。会社の女性たちの中にも、BSの再放送をご覧になっているという方もいて嬉しい限りです。
村岡花子さんの訳との出会いは、小学校の図書室、紫と白のバイカラーの講談社の「赤毛のアン」シリーズ、初めて読む二段組の本でしたが、一気に世界に引き込まれ、時間を惜しむように読みました。
既に本屋さんにそのシリーズはなく、懸命に古書店で集めた全10巻。

懐かしい小学校の図書館の香りがします。
赤毛のアン展は、前半はモンゴメリ、後半は花子さんの展示物、手書き原稿、それぞれの初版本が見られたのは、とても嬉しかったです。
ドラマ冒頭、花子さんが命より大切なものと抱きしめた『赤毛のアン』初版本。

「赤毛のアン」(1908)
やっぱり感動です…。

「アンの青春」(1909)

「アンの愛情」(1915)
アンの末娘のリラちゃんの物語「アンの娘リラ」もありました。
アンの子どもの中では、リラと次男ウォルターがお気に入り。だからつらい物語でもあったけれど大好きな1冊。
紅花でしょうか、綺麗なお花に縁どられたとても綺麗な表紙で目を引きました。

「アンの娘リラ」(1921)
リラ・マイ・リラ。この表紙では、お父さんのギルバート似でしょうか。
アンシリーズ以外もありました。
エミリーシリーズは「アンの娘リラ」同様、花に囲まれた華やかな表紙。

「可わいいエミリー」(1923)

「エミリーはのぼる」(1925)

「エミリーの求めるもの」(1927)
そして「果樹園のセレナーデ」

「果樹園のセレナーデ」(1910)
「果樹園のセレナーデ」は「アンの青春」の次に出版された本。表紙も初期のアンシリーズと似ています。
ヴァイオリンが得意な口のきけない美少女キルメニイの物語。牧歌的でロマンチックな恋の物語で、少しジョルジュ・サンドの「愛の妖精」と少し重なります。
「赤毛のアン」以外、挿絵がある作品が少ないので、表紙のキルメニイに感激しました。
花子さん訳ではないのですが、私が持っている「マーガレット文庫 世界の名作」のキルメニイ。


田中ひでゆきさんの挿絵ですが、とても美しいです。
「果樹園のセレナーデ」は氷室冴子さんの「アグネス白書」で、少女の頃の花子さんと同じ全寮制の女子校の少女達が劇で演じていました。モンゴメリ作品でもマイナーな作品ですが、実際劇を上演されたことはあるのでしょうか。読みながら、見てみたいと思いました。
初版本で少し意外だと思ったのは「丘の家のジェーン」。

なかなかアメリカン・ポップな表紙ですね!
下のソフィー・アンダーソンの「ライラックの花」の表紙の方が、作品的にはあっているかな。
アンシリーズと同じ講談社のセシール文庫で、村岡花子さん訳の「ランタン丘のジェーン」(丘の家のジェーン)を持っています。

挿絵はアンシリーズと同じ鈴木義治さんで、なかなか貴重です。
アン展では、モンゴメリの花嫁衣装を再現してものもあり、清楚ながら綺麗でした。
そして『赤毛のアン』の原稿もありました。写真では何度か目にすることがありましたが、本物を見たのは初めて。草稿、タイプされたもの、感動的でした。

ルーシー・モード・モンゴメリー
でも一番人気なのはドラマの影響で村岡花子さんの方の展示。
まず東洋英和女学校の写真や生徒たちが使っていた品が展示されていました。
当時学校で所蔵していた本も。『不思議の国のアリス』とディケンズ、たしか『トリバー・トゥイスト』だったような気がします。
花子さんのお写真、そして腹心の友として描かれている柳原白蓮等、関わりの深かった人たちのお写真もあり、特に白蓮は人気で、多くの人たちが立ち止っていました。
花子さんとご主人の村岡儆三さんが結婚前に交わしたラブレーター、そして白蓮が駆け落ちした後、花子さんと白蓮が乾いた手紙も展示されていましたが、達筆で、残念ながら私は読めなかったです…でも、展示説明文で内容は分かり、愛や、お互いを気遣う心が伝わって、とても感動しました。
白蓮が一番読みやすい綺麗な字を書いていたような気がします。
そして『赤毛のアン』の翻訳原稿!こちらも達筆ながら、担当編集者に読んでもらうためか、幾分読みやすい字。「マシュウ」は読み取れました。
やはりとても…感動的でした。
そして設置されたテレビでは、ラジオ番組出演中の映像。
花子さんの肉声を聞くのは初めてですが、元気で明るいお声でした。
展示の終わって出たところに、『赤毛のアン』でアンが住んでいたグリーン・ゲイブルスの模型があり、展示物は撮影不可ですが、こちらのみ写真を撮ることができました。

NHKのニュース動画がありましたので、そちらも貼っておきます。
少し経つと忘れていたことも蘇ります。
ドラマでは、花子さんと夫となる英治さんの出会うきっかけとなった辞書もありました。
急いでいたのととにかく混んでいたので、じっくり見ることはできませんでしたが、モンゴメリーや花子さんが現実にいた人だと感じられた、いい催しでした。
関連リンク:
モンゴメリと花子の赤毛のアン展
赤毛のアン展 日本橋三越本店 三越 店舗情報
母と妹と、妹の誕生日のお食事の前にちょっと寄っていこうということで、本当に急ぎでの鑑賞でした。
NHKの朝の連続ドラマ効果もあり、大賑わい。中高年、特に高年の方が多く、男性も多くいらっしゃったのが驚きでした。
ドラマ自体は賛否両論あると思いますが、私自身は多くの人に受け入れられる内で、本当に良かったと思います。アンを読んだり、アニメを見たりするような方以外にも、こんなにも受け入れられ、村岡さん、柳原白蓮、赤毛のアン、モンゴメリを知るきっかけとなっているのですから。
実は家の家族、両親、妹も見ていて、視聴率100%なのです。でも村岡花子訳『赤毛のアン』を読んだのは私1人。会社の女性たちの中にも、BSの再放送をご覧になっているという方もいて嬉しい限りです。
村岡花子さんの訳との出会いは、小学校の図書室、紫と白のバイカラーの講談社の「赤毛のアン」シリーズ、初めて読む二段組の本でしたが、一気に世界に引き込まれ、時間を惜しむように読みました。
既に本屋さんにそのシリーズはなく、懸命に古書店で集めた全10巻。

懐かしい小学校の図書館の香りがします。
赤毛のアン展は、前半はモンゴメリ、後半は花子さんの展示物、手書き原稿、それぞれの初版本が見られたのは、とても嬉しかったです。
ドラマ冒頭、花子さんが命より大切なものと抱きしめた『赤毛のアン』初版本。

「赤毛のアン」(1908)
やっぱり感動です…。

「アンの青春」(1909)

「アンの愛情」(1915)
アンの末娘のリラちゃんの物語「アンの娘リラ」もありました。
アンの子どもの中では、リラと次男ウォルターがお気に入り。だからつらい物語でもあったけれど大好きな1冊。
紅花でしょうか、綺麗なお花に縁どられたとても綺麗な表紙で目を引きました。

「アンの娘リラ」(1921)
リラ・マイ・リラ。この表紙では、お父さんのギルバート似でしょうか。
アンシリーズ以外もありました。
エミリーシリーズは「アンの娘リラ」同様、花に囲まれた華やかな表紙。

「可わいいエミリー」(1923)

「エミリーはのぼる」(1925)

「エミリーの求めるもの」(1927)
そして「果樹園のセレナーデ」

「果樹園のセレナーデ」(1910)
「果樹園のセレナーデ」は「アンの青春」の次に出版された本。表紙も初期のアンシリーズと似ています。
ヴァイオリンが得意な口のきけない美少女キルメニイの物語。牧歌的でロマンチックな恋の物語で、少しジョルジュ・サンドの「愛の妖精」と少し重なります。
「赤毛のアン」以外、挿絵がある作品が少ないので、表紙のキルメニイに感激しました。
花子さん訳ではないのですが、私が持っている「マーガレット文庫 世界の名作」のキルメニイ。


田中ひでゆきさんの挿絵ですが、とても美しいです。
「果樹園のセレナーデ」は氷室冴子さんの「アグネス白書」で、少女の頃の花子さんと同じ全寮制の女子校の少女達が劇で演じていました。モンゴメリ作品でもマイナーな作品ですが、実際劇を上演されたことはあるのでしょうか。読みながら、見てみたいと思いました。
初版本で少し意外だと思ったのは「丘の家のジェーン」。

なかなかアメリカン・ポップな表紙ですね!
下のソフィー・アンダーソンの「ライラックの花」の表紙の方が、作品的にはあっているかな。
![]() | Jane of Lantern Hill (2011/04/01) Lucy Maud Montgomery 商品詳細を見る |
アンシリーズと同じ講談社のセシール文庫で、村岡花子さん訳の「ランタン丘のジェーン」(丘の家のジェーン)を持っています。

挿絵はアンシリーズと同じ鈴木義治さんで、なかなか貴重です。
アン展では、モンゴメリの花嫁衣装を再現してものもあり、清楚ながら綺麗でした。
そして『赤毛のアン』の原稿もありました。写真では何度か目にすることがありましたが、本物を見たのは初めて。草稿、タイプされたもの、感動的でした。

ルーシー・モード・モンゴメリー
でも一番人気なのはドラマの影響で村岡花子さんの方の展示。
まず東洋英和女学校の写真や生徒たちが使っていた品が展示されていました。
当時学校で所蔵していた本も。『不思議の国のアリス』とディケンズ、たしか『トリバー・トゥイスト』だったような気がします。
花子さんのお写真、そして腹心の友として描かれている柳原白蓮等、関わりの深かった人たちのお写真もあり、特に白蓮は人気で、多くの人たちが立ち止っていました。
花子さんとご主人の村岡儆三さんが結婚前に交わしたラブレーター、そして白蓮が駆け落ちした後、花子さんと白蓮が乾いた手紙も展示されていましたが、達筆で、残念ながら私は読めなかったです…でも、展示説明文で内容は分かり、愛や、お互いを気遣う心が伝わって、とても感動しました。
白蓮が一番読みやすい綺麗な字を書いていたような気がします。
そして『赤毛のアン』の翻訳原稿!こちらも達筆ながら、担当編集者に読んでもらうためか、幾分読みやすい字。「マシュウ」は読み取れました。
やはりとても…感動的でした。
そして設置されたテレビでは、ラジオ番組出演中の映像。
花子さんの肉声を聞くのは初めてですが、元気で明るいお声でした。
展示の終わって出たところに、『赤毛のアン』でアンが住んでいたグリーン・ゲイブルスの模型があり、展示物は撮影不可ですが、こちらのみ写真を撮ることができました。

NHKのニュース動画がありましたので、そちらも貼っておきます。
少し経つと忘れていたことも蘇ります。
ドラマでは、花子さんと夫となる英治さんの出会うきっかけとなった辞書もありました。
急いでいたのととにかく混んでいたので、じっくり見ることはできませんでしたが、モンゴメリーや花子さんが現実にいた人だと感じられた、いい催しでした。
テーマ:児童文学・童話・絵本 - ジャンル:小説・文学