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雛芥子茜の覚え書き

アンティーク、バラ、陶器の人形、綺麗な絵本、ヨーロッパ映画、バレエなど、好きなものを綴っています。

青山美智子先生の作品

『赤と青とエスキース』を読んで以来、青山美智子先生の作品のすっかりファンになってしまいました。
立て続けに『月曜日の抹茶カフェ』『ただいま神様当番』を読みました。

小学生から中年男性、イギリス人、おばあさん、なんと猫までを主人公にした短編を、幅広く綺麗で優しい物語を描けていますが、『赤と青とエスキース』で好きなったせいか、ラブストーリーが特にすばらしいく、心に残りました。
『ただいま神様当番』も男子中学生と女子高生の恋の始まりの物語が一番好きでした。

月曜日の抹茶カフェ 青山美智子  ただいま神様当番 青山美智子
  
『月曜日の抹茶カフェ』の短編の一つ「おじいさんと短冊」は牝猫が主人公ですが、本についてとても素敵な言葉がありました。

本ってきっと、この短冊の集まりなんだわ。夢とか、欲しいもんとか。そういうニンゲンのあこがれが、いっぱい詰まって綴じられているのね。



大島弓子さんの『綿の国星』みたいな猫かな?

それから今読んでいる『鎌倉うずまき案内所』を読んでいたら、素敵な描写がありました。
2話の「二〇十三年 つむじの巻」です。ソチオリンピックが始まるので羽生くんの雄姿を見たくてテレビを買い替えたっと。嬉しかったです。

鎌倉うずまき案内所 青山美智子

twitterもやってらっしゃるのでフォローさせていただきました。
本の中で、SNSでエゴサーチすると中傷にぶつかることがあるけれど、作家を先生と書く人は悪いことは書いてないことが多いと書かれていたので、あえて先生と書かせていただきました。
先生のすべての作品が大好きです。

赤と青とエスキース

『赤と青とエスキース』
青山 美智子 (著)

赤と青とエスキース

今年読んだ本(2年前に出版された本ですが)の中で一番好きになりそうな作品です。

Amazonの紹介文

2022年本屋大賞 第2位!!

2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

●プロローグ
●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。
●二章 東京タワーとアーツ・センター
日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。
●三章 トマトジュースとバタフライピー
中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。
●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。
●エピローグ
水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。



各章のタイトル、一見分かりにくいのですがすべて「赤と青」で、四章すべて読むとすべてが繋がっていたことに気付きます。
中心になっているのは第一章で登場した恋と一枚の絵画「エスキース」。

「赤と青」が二つの楽器、ヴァイオリントピアノのソナタを聞くように音楽のように心地よく、第一楽章、第二楽章…そして2つの音がそれぞれ余韻を残す所まで聞こえるような文章と物語でした。

三章の「東京タワーとアーツ・センター」は額職人の青年の物語ですが、美術展が好きなこともあって、絵画にぴったりとあった額、その絵が描かれてから百年以上もずっと一緒の額という言葉にとても惹かれました。
美術書や画集、図録だと額は大抵カットされるので、実際に見ないとどんな額が使われていたのか分からないのです。

6月10日に行った東京都美術館の「マティス展」で私が撮った写真です(撮影OKの絵画)

マティス 鏡の前の青いドレス
「鏡の前の青いドレス」(1937)

マティス ラ・フランス
「ラ・フランス」(1939)

マティス 赤の大きな室内
「赤の大きな室内」(1948)

自分でも忘れていましたがそれぞれの絵にどんな額がいいのか考えられたのでしょうね。

この物語は映画『君のために読む物語』を思い出します。
永遠に思い続ける青春時代の恋、行く道は違ってしまったけれど今も想ってる…と思いきや実は深い愛でずっとずっと繋がっていた。それが何かは『君のために〜』と『エスキース』では違うのですが。

私は泣いてしまいました。

三島由紀夫の世界のような雑誌表紙

私がよく行く図書館では雑誌コーナーの目立つ場所にAERAとananが並べて置かれています。

今はこちら

AERA anan

三島由紀夫の『春の雪』の美貌の侯爵令息松枝清顕と『仮面の告白』に登場する絵画「聖セバスチャンの殉教」みたいだと見とれてしまいました。

因みに『仮面の告白』の「聖セバスチャンの殉教」はイタリアの画家グイド・レーニ作のこちらです。

グイド・レーニ「聖セバスチャンの殉教」
グイド・レーニ 「聖セバスチャンの殉教」

ananの表紙はイケメンが多いのでAERAが負けないのは珍しいです。
もうそろそろ次号に変わってしまいそうなので私のブログの中で並べておきます。

Wikipediaにどちらの作品も内容は書いていますが、三島由紀夫は日本語という言葉が美しく(でも読みやすい)、甘美な言葉に耽美な表現、内容以上に作品に酔いしれます。

今は亡きバレエの名振付師モーリス・ベジャールの振付で三島由紀夫をイメージした『M』という作品があります。
このバレエの中で断片的三島作品が出てきます。『金閣寺』『仮面の告白』『午後の曳航』『鏡子の家』『豊穣の海』など。
私はそれまで三島作品は『潮騒』と『金閣寺』くらいしか読んだことがなくて、フランスの振付家がこんなに読んでるのに…と、バレエに出てきた作品を全部読み、三島の世界に魅了されました。

東京バレエ団 モーリス・ベジャール振付「M」
THE TOKYO BALLET in Maurice Béjart's "M" for J-LOD live


東京バレエ団の「M」のメイキング。「聖セバスチャンの殉教」も出てきます。
「M」 のクライマックス、ルートヴィヒ2世が愛したワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の「イゾルデ愛の死」のピアノバージョンが桜舞い散る切腹シーンに使われているのもいいです。

Nobuyuki Tsujii - Wagner-Liszt - Liebestod from Tristan und Isolde


ついでながら「イゾルデ愛の死」を最初に聴いたのはワーグナー名曲集のCD、他に収録された「ワルキューレの騎行」や『タンホイザー』『さまよえるオランダ人』の序曲に比べると地味で陰気臭い曲だというのがその時の印象でした。

それが180度変わったのはヴィスコンティ監督の映画『ルートヴィヒ』を観てからです。ヘルムート・バーガー演じる美しい皇帝ルートヴィヒ2世が親族で憧れのオーストリア皇后エリザベートに「エリザベート、どうか『トリスタンとイゾルデ』に来てください。そうすれば僕を理解してくれるでしょう」と手紙を送ったからです。

ルートヴィヒ

こんな美青年に好きな曲と言われたらねえ…突然好きな曲になってしまうのです。

三島由紀夫もヴィスコンティ監督作品が好きでした。
お気に入りは『地獄に堕ちた勇者ども』のようですが。

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雛芥子茜(サンドラ)

  • Author:雛芥子茜(サンドラ)
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    mail: sandra_w24@hotmail.com

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