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アレクサンドラ・イザベルの日記

アンティーク、バラ、陶器の人形、綺麗な絵本、ヨーロッパ映画、バレエなど、好きなものを綴っています。

ブロンズの天使11 エルミタージュ幻想 2

エルミタージュ幻想(2002) ~映像で見るブロンズ~ (10月4日の日記の続きです)
【ラストまでネタバレしています】

russark2.jpg
ダンテス様 どこかしら?
エカテリーナのような女官


 語り手である現代のロシア人映画監督と19世紀のフランス人外交官キュスティーヌが迷い込んでしまった、19世紀のエルミータージュ。

 監督はエルミータージュで、革命で一家全員が惨殺されることになる皇帝ニコライ二世の家族達が、楽しそうにお茶を飲んでいる姿を見ているうちに、連れであるキュスティーヌがいないことに気付いた。

 遠くで華やかな音楽が鳴っている。
 監督がそちらに向かうと、そこは大広間で、時代を遡りニコライ二世の曽祖父であるニコライ一世の宮廷の華やかな舞踏会が催されていた。

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

 ほとんどの国民が農民である、凍てつくロシアの地において、そこだけはヨーロッパであった。ある意味では、本物のヨーロッパ以上の。

 “私のヨーロッパ人はどこだろう?”と監督がキュスティーヌを探していると、数人の若い貴族達の中にその姿を見つけた。
 貴婦人二人が、金髪の若いハンサムな軍人に必死に何かを訴えている。

 監督がキュスティーヌの方へ歩いていくと、華やかなダンス音楽が演奏され始めた。
 二人の貴婦人の話を聞いていた軍人も、その音楽に合わせて陽気に体を揺らした。

 キュスティーヌはというと、監督に気付かないらしく、踊りの群れの方へ、飛び跳ねるようにして、消えていってしまった。

russark4.jpg
この方は、やっぱりあの方よね!?
クリックすると画像が大きくなります。


 一人になった監督も、踊る人々の方へ行くと、先ほどの金髪の軍人を見かける。誰かを探しているように辺りを見回し、だがオーケストラの前を通り過ぎる時に、音楽にあわせて陽気にステップを踏んだりしていた。

 そして監督はようやくキュスティーヌを見つけた。彼は陽気に踊っていた。しかもパートナーは今日の舞踏会で一番の美女と思われるプーシキン夫人、ナターリアだった。


ナターリア(エルミタージュ幻想)

映画ナターリア、ブロンズのナターリアと似ていて嬉しかった!
クリックすると画像が大きくなります。


「今日の舞踏会に、三千人は来ているんじゃないかな」「ステップを忘れてしまったよ」
 と言いながらキュスティーヌは、嬉しそうだった。

 華やかなダンス音楽が終わり、大きな拍手が終わると、人々は広間を静かに出て行き始めた。

 監督はようやくキュスティーヌに声をかけた。

「あなたを探していました。行きましょう?」
「行く?どこへ?」
「前へです」
「前にいったい何があるだろう?」

 寂しげに笑い、川のように流れていく人々の中に、キュスティーヌは一人立ち止まったままだ。

「行きなさい」と言うキュスティーヌに、永遠の別れを感じ、監督は言った。

「さようなら、ヨーロッパ」

 ──さようなら ヨーロッパ
 時代は流れていくだろう。エカテリーナ女帝がヨーロッパの美術品を集めたエルミタージュ。ピョートル大帝が、ヨーロッパを模して、沼地の上に作り上げた都サンクト・ペテルブルク。
 聖ペテロ(ピョートル)の都──サンクト・ペテルブルクは革命後1924年、革命の父レーニンの名にちなんでレニングラードと名前を変える。ソ連が崩壊し、91年にその名を取り戻すまで。けれど、そこには永久にかつてのヨーロッパはない。


 しかし、川のように流れていく貴族たちの群れはそのことを知らない。
 キュスティーヌと別れた監督は、広間を出たところで、再び金髪の軍人を見かける。友人たちと行くことなく、誰かを待っているような彼の周りを、仮面舞踏会風のケバケバしい衣装の女達が取り囲み、からかう。

「お気の毒な殿方!あなたのご婦人は行ってしまいましたわ」
「鳥のように羽ばたいて!」

 広間かを抜けてしばらく行くと、大階段だ。
 そこを人々は静かに降りていく。そこには詩人プーシキンの姿もあった。彼より三人ほど前には、夫人のナターリアもいた。
 彼女は幾度も振り返り、降りてきた階段の方を見上げ、今度は前の人々をかき分け、誰かを探しているようだった。おそらくプーシキンのことではないだろう。彼は彼女のすぐ後ろにいた。

 その時、階段の上の方から声がふってきた。

「ナタリー!」

 軍服が一瞬映る。彼は彼女に向かい、手を振った。

 けれど、人々はそのまま流れ、プーシキン夫妻も、貴族達も外へと出て行ってしまう。
 監督が外を見ると、寒々とした海がそこにはあった。


※   ※   ※


 映画『エルミタージュ幻想』(DVD出ています)を、プーシキン夫妻のシーンを中心に書いてみました。
 プーシキンとナターリアは、三度登場します。最初は映画が始まってから20分すぎた頃です。
 登場する金髪の軍人がはたしてダンテスかは分かりませんが、そうだったらいいなと思っています。

 しかし、ほのめかしが多い映画でした。
 皇女アナスタシアが、家族とのお茶に一人遅れて登場し、迎えられるシーンは、革命後の彼女の生存説に繋がっているとも思えるし。
 ダンテスもどきの軍人も、はっきりダンテスと描かないし。
 彼がナターリアと踊って、プーシキンとバチバチ火花を散らしたら、一発でダンテスだと分かるのですが。
 そのほかのシーンも、いろいろ意味があるんだろうな。でも、ほのめかしであるからこそ、いろいろ想像できておもしろかったです。

 映画ダンテス(仮)は、ブロンズのダンテスとはあまり似ていませんが(でも肖像画とは似ているかも…)、雰囲気は出ています。かっこつけた所とか、女の人に囲まれている所とか、陽気な所とか、でも愛する人?を探す目はとても真剣で…そこが一番似ているような気がしました。

 ※この映画について、BBSにて教えてくださった方に感謝します。

*** COMMENT ***

エルミタージュ幻想

こんにちは、ずいぶんと前にBBSに書き込みさせていただきました。今回もまた久しぶりに書き込みさせていただきます。
毎回ブロンズの天使の感想も楽しみにしています。何だかとうとうやばくなってきたという感がしますね、本編も・・・。
ナターリアやダンテス、プーシキンもですが、周囲の人間も何だか様子に注意しなければいけなさそうですし・・・。雰囲気の変わったナターリアもどうやらお気にめしたっぽい陛下とか、二人のことを黙認せざるをえないながらやっぱりどうも止めたさそうなヘッケルン大使とか、本当にそれでいいのかと聞きたいエカテリーナやアレクサンドラとか、ナターリアに関しては心底どうでもよさ気なベンケンドルフとか・・・。あとスルーされたまんまのネッサリローデ父娘や、恐らく作中で最強ではなかろうかと思われる皇后陛下も気になります。
まぁ、それはともかく、エルミタージュの感想も興味深く拝見させていただきました。けっこう前にレンタルで見たので忘れていたり、自分では気がつかなかったところもあって、なるほどーと思いました。
それにしてもやっぱり、あの軍人気になりますよねぇ?本編では何の説明もされていませんが、どうしても勘繰ってしまいます。て、いうかどうして何の反応もしないのでしょうね、ナタリーは・・・。それに、プーシキン夫妻も仲が良いんだか悪いんだか、って感じでしたね。一度目と二度目の登場シーン。
私の印象に残ったのは、「さようなら、ヨーロッパ」と、後もうひとつ、ラストの会談でのナターリア(多分)の台詞です。
 「まるで川のようね」 
 「これが人生最後の舞踏会って気がするわ」
何だかこれが強く印象に残っています。(うろ覚えですが)
 
では、色々とりとめが無くなってきましたがここで失礼します。これからもブロンズの感想やサイトのほう楽しみにしています。あ、遅くなりましたが、サイトのオペラ座の怪人や指輪物語のコーナーもファンです。
ではでは。

いらっしゃいませ!

北原さん、いらしてくださって嬉しいです!
BBSで『エルミタージュ幻想』を教えてくださって、本当にありがとうございました。
2ヶ月くらいかかっての紹介&感想、すみません。きちんと書きたかったので、かえって時間がかかってしまいました。

映画のプーシキン夫妻も、本当に仲が良いんだか悪いんだか分からないですね。プーシキン役の人、無表情でしたし。

「ブロンズ」の主役三人(私の中ではダンテスも主役です)以外の、これからも気になりますね。荒れ気味のプーシキンとアレクサンドラあたりが、何かしでかしそうな予感がします。でもこの二人より、やはりナターリアとダンテスの方が見ていたいです。

皇帝陛下もまだまだ何かしでかしそうですね。アレクサンドラ皇后、実は最強そうですね(笑) エカテリーナ女帝も含めて、ドイツから嫁いできた方は、強い女性が多いのかも(最後の皇帝ニコライ二世の方のアレクサンドラ皇后は弱い方でしたが…)。考えれば、いつもケンカばかりしていたナターリアとダンテスを一緒に踊らせて、二人を近づけてしまったのも皇后陛下ですし、なんだか一癖も二癖もありそうな方です。

サイトのほかのページも見てくださってありがとうございます。指輪物語もオペラ座も途中で放りっぱなしなので、またいろいろ作りたいと思っています。
できれば(今年中に)、ブロンズのコンテンツも作りたいのですが。

ブロンズのこともまだまだいろいろ書きますので、またぜひいらしてくださいね。

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