アレクサンドラ・イザベルの日記

アンティーク、バラ、陶器の人形、綺麗な絵本、ヨーロッパ映画、バレエなど、好きなものを綴っています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

恋文の技術

恋文の技術恋文の技術
(2009/03)
森見 登美彦

商品詳細を見る


 『夜は短し歩けよ乙女』でお気に入り作家になった森見 登美彦さんの最新作です。
 すごくおもしろかった!

 京大大学院生(♂)守田青年が、遠く離れた実験所に飛ばされて、そこから京都に住む大學の友人、仲間、家庭教師をしていた教え子に手紙を書きまくる書簡体形式の小説。ただし手紙は守田側のみ。
 友人の恋の相談に乗ったり、かつて家庭教師をしていた教え子の相談に乗ったり、気の強いかつての研究仲間の女性と張り合ったり、守田君の手紙のみなので相手がどんな手紙をよこしたか分からないのに、やりとりがすごくおもしろい。
 真面目でおまぬけで、純で一途だけれど勘違いしやすい守田君、からかいがいがあるんだなあと思わせます。
 で、その手紙はというと、文体はメールが主体の現在、友人にあてた手紙にも関わらず、手紙の書き方の見本のような丁寧な文体。「拝啓」「早々」はもちろん自分を「小生」と書いたり。
 堅苦しい文体にも関わらず笑えるのは、漱石の『坊ちゃん』のよう。『坊ちゃん』だけでなく『野菊の墓』とか啄木や寺山修司の詩とかなにげなくパロディにしていて、すごく文章に魅せられました。

<以降ネタバレあり> 

 でも後半で、一番書きたかったのは恋文だったことが分かる。ちょっとしたおまぬけな出来事で見つかってしまった手紙の草稿。他の人にはつらつら長文を書けるのに、何度も書きかけては挫折して、自分でオチをつけている。それまでの手紙でちょこちょこっと名前が出てきて片思いしていることは分かっていたけれど、相変わらずのしょうもなく綴る恋文の中の一途な想い、そんなに好きだったのかと素直に感動してしまいました。

 男の子って実は可愛いんだなあ…(実はおっさんも?) 一部美少年美青年貴公子イケメンをのぞいてむさいと思ってごめんなさい(自分は棚にあげてます)。
 見かけによらず心に「花園」を持っている。
 守田君は手紙ほどは饒舌ではなく、内弁慶ならぬ筆弁慶らしい。
 『星の王子さま』の住む小さな星が守田君にとっては手紙で、星にはうまく愛することのできない綺麗な赤い薔薇が咲いているような。

  『夜は短し歩けよ乙女』のエピソードもいろいろ散りばめられています。恋の成就までパンツを履き替えないとか、鯉のぬいぐるみを背負った女の子とか。
 『夜は短し~』ですっかり好きになった森見さんの世界を再び楽しく味わえました。
 

*** COMMENT ***

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

カレンダー(月別)

07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

サンドラ(bisenco)

  • Author:サンドラ(bisenco)
  • HP『子どものための美しい庭』の管理人をしています。
    HP: http://marieantoinette.himegimi.jp/
    twitter: http://twitter.com/bisenco
    mail: sandra_w24@hotmail.com

最新記事
最新コメント
カテゴリー
ブログ内検索

リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。