アレクサンドラ・イザベルの日記

アンティーク、バラ、陶器の人形、綺麗な絵本、ヨーロッパ映画、バレエなど、好きなものを綴っています。

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古いものの行方- 『ビブリア古書堂の事件手帖3』より 「春と修羅」

 ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』、個人的には主要人物はほぼ全員ミスキャストだとは思うのですが(特に原作では妹を弟に変更したのが)、どうしてもドラマ自体は嫌いになれず毎回欠かさずに見ています。
 ステンドグラスが入った古書堂、カバーのかかっていない古い岩波文庫や全集、鎌倉の風景、おそらくスタッフの方に、原作や登場する本たちが心から好きな方がいらっしゃるんだろうなと思います。

 『ビブリア古書堂の事件手帳』で好大好きだった『春と修羅』の章(3巻に収録)。
 ドラマでは原作には書かれなかった『春と修羅』のエピソードが。宮沢賢治の『春と修羅』の初版本が、関東大震災でほとんどの本を失った明治大学に寄贈され、多くの学生たちに読まれ、希望になったこと。このドラマで初めて知りました。
 明治大学が所蔵するお宝 No.120901 宮澤賢治『心象スケッチ 春と修羅』

 原作でもこの『春と修羅』初版本を巡るエピソードがもっとも好きなのは、本の所有者が誰にこの本を譲ったか。

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
(2012/06/21)
三上 延

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 ネタバレです。 

 中学生の孫の男の子に譲ったんですね。
 老人には2人子どもがいて、兄には事業を、読書好き娘には家と蔵書を。
 老人は『春と修羅』初版本を2冊持っていて、1冊はとても綺麗なもの、もう1冊はボロボロ。そのボロボロの『春と修羅』を孫に譲ったと。
 この少年はあまり勉強も出来そうではないし、顔もイマイチ。両親は本は好きでないのに、文学好きで、おじいさんの図書室に出入りしていた。
 なんとなく、この少年がミヒャエル・エンデの『はてしない物語』のバスチアン(映画の美少年ではなく、原作のX脚で不恰好な男の子)と重なりました。

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)
(1982/06/07)
ミヒャエル・エンデ

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 老人は若い人と本の話をするのが好きだった。
 せも、もしかしたら本の方が少年を選んでいたのかもしれません。

 少年の名前は『春と修羅』の中の詩の一つと同じ“昴”君。
 この詩に落ち込んでいた心が落ち着いて、この本がとても大事で好きになった。
 きっかけって本当に些細で、でも大切なのね。

 『春と修羅』の章で私に一番近いのは、同署好きの娘で、自分ではなく甥の方に、もっとも愛着のある古本を譲られたら嫌だろうなとやっぱり思うだろうな…と思います。
 読書好きがいつのまにか心の中でおごってるんでしょうね。

 羽田から浜松町に戻るモノレール、中学生くらいの3人の男の子がヘッセの『車輪の下』に感動したという話をしているのをふと耳にしました。
 「なんか良かったなあ」「うん、よかった」とか短いものでしたが、なんだか感激してしまった。言っている声が、本当に心からのものだったから。

 若い人が文学の話をしてくれるのは嬉しいのう…

 まあ私はまだ若い方ですが(一応)、アンティークやか古本が好きです。
 オークションなども時々見ますが、アンティークの食器など出品されている方には、ご本人が諸事情でコレクションを手放される他に、遺品か引越しか、ご家族から譲り受けたコレクションなども見かけます。

 私は陶器の綺麗な食器やお人形(フィギュリン)などが好きですが、このまま集め続けて、ふと遠い(意外と近い)未来を思うとどうなるのかなあと。
 秦の始皇帝の兵馬俑みたいに、お墓にずらっと並べるわけにも行きませんしね…(まだ1ダースも集めてないけど)。


コールポートとロイヤルウースターのフィギュリン
コールポートとロイヤルウースターのフィギュリン


 フィギュリンはともかく、私の高畠華宵挿絵の児童書や絵本、19世紀や20世紀初頭の洋書を、ボロだからって、廃品回収に出されたり、ブックオフでシュレッターにかけられるの、絶対に嫌だ…。


kosyo1.jpg


 物語のように、アンティークは古書に心があって、彼らが決めた人に受け継がれていけばいいのですが。
 
 家については、そういう物語がありました。

 女主人が自分の心を受け継ぐだろう人に、家族を差し置いて家を相続させると遺言したところ、家族が無視、けれど時が過ぎ、様々な偶然か運命か、結局はその人が受け継いでしまう。

 E・M・フォースターの『ハワーズ・エンド』。

 取りあえず預かるだけの本が、ちょっとボケ君の古い家政婦さんがハワーズ・エンド邸の書棚に入れてしまい、それがピタっと収まったのが素晴らしかった。

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)
(2008/05/12)
E・M・フォースター

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テーマ:読書 - ジャンル:本・雑誌

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